『silent』第1話「本気で愛した彼は音のない世界で生きていた」
紬と想が8年ぶりの再会!
第1話 あらすじ
ざっくりとしたあらすじです。
ネタバレも含みます。
ある雪の日、「雪が降ると静かだね」と高校3年生の青羽紬(川口春奈)は、恋人の佐倉想(目黒蓮)と楽しそうに話す。
「静かだねー!」
「青羽の声、うるさい」
無邪気で幸せそうな紬と想。
ある雨の日、早朝5時。
26歳になった紬の隣で寝ているのは、戸川湊斗(鈴鹿央士)。
「うるさい」。
雨の音に、うらめしそうにつぶやく紬。
湊斗も高校の同級生。これから同棲するために部屋の内見に行くことになっている。
湊斗は想の親友で、同じサッカー部の仲間だった。
高校卒業後、想は紬に「好きな人がいる。別れたい」とLINEで一方的に別れを告げ、
大学まで会いに来た湊斗には「おれもう青羽いらないから、やるよ」と言って、湊斗とも関係を絶った。
ある日、紬は世田谷代田駅で、電車から降りる想を見かける。
そのことを知った湊斗は、あの手この手で想の消息を調べ、想の妹・萌(桜田ひより)から想の連絡先を聞き出す。
そして、萌の言葉から想が失聴したことを知ってしまう。
想の失聴を知らない紬は、何度も世田谷代田駅に通い、ついに想と再会する。
紬が落としたイヤホンを想が拾ったのだ。
紬は想に話しかけるが、想はイヤホンを持ったまま思わず逃げてしまう。紬に追いつかれ、観念したように手話で話し始める。
高校時代、CDを貸し借りし、好きな音楽を通して距離を縮め、仲を深めていた紬と想。
初めてのクリスマスプレゼントには、お揃いのイヤホンを贈り合った。
しかし、聴力を失った想はもう音楽を聴くことはできず、紬の声も聞こえなくなってしまった。
あんなに思い合っていたのに「俺たち もう話せないんだよ」と、紬の理解できない手話で泣きながら訴える想。
筆談したいと食い下がる紬に「お前、うるさいんだよ!」と言って想は立ち去る。
「佐倉くんの声が好きだったから、また話したい」と再会を願っていた紬は、呆然と立ち尽くす。
第1話のコトバ
うるさい
冒頭、雪にはしゃぐ紬に向けられた「うるさい」が、ラストでは、耳が聞こえない想に話しかけようとする紬に向けられる「うるさい」になってしまいました。
高校時代、愛おしそうに紬を見つめながら言っていた「うるさい」が、8年後に、悲しさと悔しさが溢れ出る「うるさい」に変わってしまった・・・。
どちらの「うるさい」も、「紬が好き」という想の叫びに聞こえるわ…
好きだったから 嫌われたかった
ラストの想の手話シーン。8年ぶりに再会した紬への言葉。
3年前に耳がほとんど聞こえなくなってしまったという。
これでわかっただろ
もう青羽と話したくなかったんだよ
いつか電話もできなくなる
一緒に音楽も聴けない
そうわかってて一緒にいるなんてつらかったから
好きだったから だから会いたくなかった
嫌われたかった
忘れてほしかった
この想の手話は、字幕がついているから視聴者はわかるけど、紬には伝わっていません。
でも、想は紬のことが嫌いで別れたわけではないこと、悲しくて悔しくて辛かったということは紬にも伝わったのではないでしょうか・・・。
「上京してすぐ女つくってソッコーで紬を振った」(親友・真子の言葉)と思っていたのに、こんなことになっていたとは思いませんよね。
また、想のセリフから、3年前に聴力をほぼ失っていたことが明かされます。
「3年前に聞こえなくなった」と言えば、高校時代、クリスマスに想が紬にプレゼントしたイヤホンと同じ。
「イヤホンが壊れてしまったのは3年ぐらいまえ。それからずっと音が出ない」。
せつない。。
好きな声だった。
好きな声で好きな言葉を紡ぐ人だった。
高校2年生の時、想が自身の作文『言葉』を朗読するのを聞いて恋に落ちた紬。
3年生になって、湊斗のアシストもありつつ、CDやiPodごと貸し借りし、距離を縮めていった2人。
そして、紬から告白。
想はイヤホンをしていたから、紬の告白に気づかなかったと見せかけて、たぶん聞こえている。
告白をごまかす紬と、スピッツの歌が好きという会話になる。
「あの曲好き」「うん、俺も好き」・・・となって、想から告白。
「すき つきあって」。
嬉しそうな紬。
「なんて答えればいいの?」
「俺が決めていいの?」と、想に言われた「よろしくお願いします」で食い気味に答える紬がかわいい。
高校生の紬は、無邪気で素直でほんとにかわいい。
想は紬の耳にイヤホンを差して、スピッツ『魔法のコトバ』が流れてくる。
手をつないで歩く後ろ姿に、永遠の幸せを願ってしまうのだけど・・・。
紬の好きな想の声が、再び聞ける日は来るのでしょうか?
絶対いい人なんだろうなって勝手に思い込むんですよ。
ヘラヘラ生きてる聴者の皆さんは。
湊斗が行きつけの居酒屋で出会った手話の先生・春尾正輝(風間俊介)。
お客さんなのに居酒屋の店員さんに手話を教えていると知って「なんか人が良さそうですもんね」と言うと、
そういう刷り込みがあるんですよ。偏見っていうか。
手話。耳が聞こえない。障がい者。それに携わる仕事。奉仕の心。優しい。思いやりがある。
絶対いい人なんだろうなって勝手に思い込むんですよ。
ヘラヘラ生きてる聴者の皆さんは。
僕も聴者なんですけどね
と返されてしまう。
率直な言い方が、見ている方にもグサッと刺さります。
この後、想の耳が聞こえなくなったということを信じたくない湊斗に、春尾先生は「覚えなくてもいいんですけど、もしよかったら」と手話教室の案内をくれました。
春尾先生、どんな人なんだろうね?
風間ぽんが演じてると、ただのいい人には思えないよね。
我々世代は、兼末健次郎のトラウマを抱えてるからね…
第1話 メモ
湊斗の主成分は優しさ。
紬は、湊斗が怒ったところを見た事が無い。
そんな人いるの?逆に怖くない?
紬にとって想は「昔付き合ってた、好きだった人」。
想のことを「元カレ?」と聞かれた紬。「元カレ」とは言わず、「昔付き合ってた、好きだった人です」と答える。
紬にとって想は、「元カレ」なんて単語で表せないほど特別で、大事な人ということかな。。
就活中の後輩へ「おかしくなってからだと遅いからね」
「週5でスーツ着て電車乗ってたら、ボク終わります」と話す就活中の後輩・田畑君に、紬は「おかしくなってからだと遅いからね」と話す。
想の唯一の欠点は、人に甘えられないこと。
想の妹・萌の言葉。「お兄ちゃんって人に甘えられないことが唯一の欠点だよね」。
唯一の欠点ってことは、それ以外に欠点が無いってこと?
ステキな兄妹~~
湊斗は夜空を見上げて「晴れてるね」と言う。
月が輝く夜空を見て「晴れてるね」と言う湊斗。「そういうところ好きだな」と言う紬。
感想:「好きだから、嫌われたかった」の衝撃
いやあ、初めて見た時は、正直、わけわかんねえなって思いましたね。
めめの勇姿、いや、演技には感動したけど、若者の思考回路がいまいち理解できないし、湊斗は素敵なお宅に住んでるけど実家なの?ほんとに紬と同い年?(一人暮らしの社会人のようです)。色々と困惑。
耳が聞こえない人とのラブストーリーと言えば『愛していると言ってくれ』『星の金貨』という世代なもので…
もっとドロドロしたドラマばっかり見てきたんです。
なのに!この『silent』にはドロドロの要素を感じません。
サラッサラの展開に、こんなのでドラマになるの?!
「好きだから、嫌われたかった」って、それじゃあドラマにならないじゃーん!
登場人物がぶつからないからドロドロしない。サラッサラ。
“主成分・優しさ“の湊斗が実は?風間ぽんが波乱を起こすか?想の妹はもちろん邪魔しに来るよね?夏帆も気になる!とドロドロの要素を探してしまう。
登場人物全員が2人の障壁になるんだよね?ドラマだもの!
なぜか、DEEN『このまま君だけを奪い去りたい』が流れてきます。(古い…)
逃げろ、湊斗!紬を連れて今すぐ逃げるんだ!
しかし、紬と想がほんとにお似合い。この絶対的な2人が幸せになる姿を見たい!見せてくれ!と、どんな困難を2人が乗り越えて結ばれていくのか(いかないのか?)気になります。
それにしても、最後のめめは辛い。。あ~この辛さに耐えられるかしら。幸せなめめが見たいわ。