第5話「流星とダイアモンド」
拓朗が真実を掴む回
第5話 あらすじ
ざっくりとしたあらすじです。
ネタバレも含みます。
松本死刑囚(片岡正二郎)の再審請求が棄却され、責任を感じたチェリー(三浦透子)がベランダから飛び降りるが一命を取り留める。しばらくすると、岸本拓朗(眞栄田郷敦)たちも特集の制作中止を言い渡される。あらがえない大きな力に脅威を感じた恵那(長澤まさみ)は、その決定に何も言わない。だが、諦めきれない拓朗は、単独で調査を継続する。そして、事件の目撃証言をした西澤(世志男)がかつて、事件のあった八頭尾山のふもとの町に住んでいたことが判明。さらに調べていくと、西澤は家族全員にDVをはたらき、妻と子どもは逃げていることがわかる。
恵那は、元恋人の斎藤(鈴木亮平)と再び良好な関係を築き始めていた。その矢先、同期で報道部の滝川雄大(三浦貴大)は、事件の真犯人を逮捕させまいとする強大な力が働いているという見解を示し、斎藤が元警察庁長官の副総理に可愛がられていると恵那に話す。
拓朗は、西澤の証言は嘘だったという元妻の証言VTRを撮ることに成功。『フライデーボンボン』でゲリラ的に放送しようとするが村井に阻止されてしまう。VTRを見た恵那は、拓朗に謝り、これで松本氏を釈放できるかもしれないと喜ぶ。
第5話のコトバ
おじさんの人生って、ほんとずっと私がむちゃくちゃにしてるんですよね
再審請求が棄却されたのは自分のせいだと思って自殺を図ったチェリーの言葉。
今度ばっかりはマジで自分死ねって思っちゃって。
だって全部私が言い出したことじゃないですか。
岸本さん強迫して、浅川さん巻き込んで、それでおじさんの再審をだめにしたんですよね。
おじさんの人生ってほんとずっと私がむちゃくちゃにしてるんですよね。
チェリーさん、報われてほしいね。
僕は生まれて初めて、真実を自分の力で手に入れるかもしれなかった。
今回、真実を手に入れた拓朗の言葉。でも、
真実は再び闇に返された。
闇にあるものは理由があってそこにあるのだと村井さんは言った。
知られたくない奴と教えたくなかった人と。
知らなくていい人や知りたくない人に真実は嫌われて。
たたかれ押し付け合われたあげく
また闇に押し込まれたまま、明日も世界は平和なふりして回るのだ。
しかし、恵那は拓朗を称賛する。
もうそんな次元の話じゃないの。
そんなの何もかも吹っ飛ばせるぐらい決定的で最強の真実を君はつかんだの。
本当に松本さんを釈放できるかもしれない。
好きな女とうまいもん食いたい。
斎藤からレストランに誘われた恵那は、他の客から丸見えの席に驚き、自分と一緒にいるところを誰かに見られると斉藤に迷惑がかかると話す。
いや俺なんかもっとどうでもいいよ。
好きな女とうまいもん食いたい。
じゃなきゃ毎日毎日こんなばかみたいにしんどい思いして働いてる意味なくねえ?
かっこよすぎるけど…
あんまり一個の事件にのめり込むなよ、人生狂うぞ。
社内のパワーバランスについて拓朗は斉藤に相談する。
斉藤は、冤罪は警察・検察が最も追求されたくないことなので局に制裁を加えてくると話し、痩せた拓朗のことを心配し「人生狂うぞ」と忠告する。
これは何かの暗示?
第5話 メモ
とにかく真犯人を逮捕させまいとする力が働いている。
恵那の同期・滝川は、警察を動かせるほどの権力者が松本氏を犯人にでっち上げて、真犯人を逮捕させないようにしているのではと話す。
そして、斉藤は元・警察庁長官だった副総理に可愛がられていることで、恵那と斉藤の関係を気にかけている。
百恵ちゃんの息子、いい味。
拓朗がママを捨てる?
様子がおかしことをママに心配され、心療内科を受診させようとしたことから拓朗は家を出る。
混乱するママに、拓朗は中学時代にカイ君がいじめられていることを学校に伝えずに握りつぶした理由を尋ねる。
母子家庭やから うちは。
あらがえるわけないやん、 和歌山の田舎出の成金弁護士に。
あの世界から外されへんためにはならうしかなかったんや。
全部あんたのためやんか!
拓朗のために勝ち続けることを選んだママの愛…
それが拓朗を苦しめることになるとは…
感想:真実は希望なのだ⁉
前回、いとも簡単に騙されて被害者の偽の手紙に5万円を払って、自らの過去と向き合って目の色が変わった拓朗が、ひげを生やして別人に。一人で執念の聞き込み捜査を行い、ある真実に辿り着く第5話は郷敦、いや拓朗エライ!の回でした。
これまでは「正しさ」がよく出てきましたが、今回は「真実」。
真実を追い求める。真実を掴む。だけど、拓朗にとって真実は、誰かの手によって握りつぶされる可能性があるもののようです。
中学時代に、友人のカイ君があっくんたちにいじめられているという”真実”を母に託しましたが、母に握りつぶされたと思っている。そして、カイ君は自殺してしまった。
母親は、”真実を握りつぶした”つもりはなく、あっくんたちが形成するエリートの世界に拓朗を存在させ続けるために、いじめの事実を学校に伝えなかったのだけど。
『エルピス』はテレビ局が舞台になっていますが、組織に属する人なら誰でも共感してしまう”あるある”が散りばめられています。第1話のセクハラ、パワハラ、モラハラはもちろん、第4話では「あらゆるものを私利私欲で分解し、すべて惰性へと溶かし込むコンポスト」なんて言われてました。
今回も、前半で組織内のパワーバランスが語られ、バラエティは報道に言い返せない構図、すなわち、バラエティ番組のスタッフである拓朗が掴んだ「真実」なんて報道には相手にされないかも?
拓朗は「ヤバすぎるネタはつぶされる」から、拓朗が掴んだ真実は闇に葬られるのだと失望しますが、拓朗が掴んだ真実は、組織のパワーバランスを吹っ飛ばせるぐらい最強の真実だと恵那は称えます。
落胆からの歓喜!拓朗、グッジョブ!
第6話で真実は明るみになるのでしょうか?楽しみ~~