第6話「退職届と異動辞令」
村井さんカッコイイ回
第6話 あらすじ
ざっくりとしたあらすじです。
ネタバレも含みます。
西澤正が「松本死刑囚(片岡正二郎)を見た」という、逮捕の決め手となった目撃証言が覆されたことで、再審は現実味を帯び、浅川恵那(長澤まさみ)は再び奮い立つ。さらに、岸本拓朗(眞栄田郷敦)がつかんだこの事実は、かつて報道局に在籍していた村井(岡部たかし)の魂にも火をつけ、報道部が報道すべきだと主張する恵那と名越(近藤公園)の言葉をよそに、村井は『フライデーボンボン』で放送すると独断で決める。放送後、日本の司法を揺るがす新事実に世間の反応はすさまじく、あらゆるメディアが動き出し、情報提供者である西澤の元妻・吉村由美子も不安を隠せない。さらに、西澤が逃亡したことで再捜査ができなくなり、恵那たちは自分たちの考えがいかに甘かったかを思い知らされる。社内では緊急幹部会が行われ、恵那が局の看板番組である『ニュース8』に“事件を追っていた記者”として出演することが決まる。出演を控えた恵那は、出演することによって副総理大臣の大門(山路和弘)とつながっている斎藤(鈴木亮平)との関係が崩れることを村井に心配されるが、出演を選ぶ。そして、懸念した通り、斎藤との関係は解消されることになる。
一連の騒動のけじめとして、『フライデーボンボン』は打ち切られ、拓朗と村井はそれぞれ異動が決まる。ところが、恵那は『ニュース8』のキャスターに返り咲く。恵那がキャスターの業務に忙殺される中、拓朗は一人で真犯人の捜査を続ける。恵那は、副総理の大門が八飛市出身であることに注目し、笹岡まゆみ(池津祥子)に大門の周辺の調査を依頼する。
第6話のコトバ
この人は、大事なことを絶対に言葉にしない。
カルティエのダイヤの指輪を「ご祝儀相場があった」と斎藤からプレゼントされた恵那。
限りなくエンゲージリング的な指輪をプロポーズではなく株を理由に渡された。
この人は大事なことを絶対に言葉にしない。
ただサインだけを送ってくる。
サインはそれを読み取る者に呪いをかける。
問い返しを封じて疑問の渦に迷わせる。
あの指輪の意味は何?
私のことをどう思っているの?
どうして私に特集をやめさせようとしたの?
ほんとは私たちは、裏切り合ってるんじゃないの?
確かめなきゃいけないことがたくさんあるのに、私はこの人を好きになりすぎてしまった。
斎藤、ズルいな…
溢れる才能ってのはな、文字通り溢れてくるもんで、自分で止められる奴なんていねえ。
すっかり”権力の犬”と化した斎藤は、”あっち側”つまり政治家としての素質がありすぎることを見抜いている村井の言葉。
あいつはいずれ報道を離れるだろうよ。
溢れる才能ってのはな、文字通り溢れてくるもんで自分で止められる奴なんていねえ。
つまりそれは同時に厄災でもあって、何か大事なものを人生から押し流しちまうこともままある。
で、今日のお前の出演だけどさ やめとくか?
とりあえずここまではお前はアナウンサーだ。
この事件を追ってたのも、特集を企画し、原稿を書いてたのもお前じゃなくて俺と岸本だった。お前はただ原稿を読まされてただけだったって釈明が、アナウンサーならぎりぎり成り立つ。
要するに、いざとなりゃ斉藤も大門に対してそういう言い訳ができる。
でも今夜、お前がこの事件を追ってた記者としてニュース8に出りゃそれはもう効かねえ。
斉藤の立場は極めて微妙なものになる。
なんなら、お前と大門のどっちを取るかってな話になっちまうかもしれねえ。
代わりに俺か岸本が出るか。
お前がそれでいいっていうなら今からプロデューサーのところ行って交渉してくる。
とんでもないセクハラ上司だと思っていた村井さんが。。
全方向に気が利く、めちゃくちゃ部下思いの上司だった‼
この仕事は私です。丸ごと今の私自身なんです。
事件を追っていた記者として『ニュース8』に出演することを決めた恵那の言葉。
出ます。
この仕事は私です。
丸ごと今の私自身なんです。
それが斎藤さんの人生から押し流されるものだとしたら、遅かれ早かれ受け止めないといけないことなんです。
恵那の覚悟。。
俺と君はいつの間にか、相克の関係にある。
事実上、恵那と大門のどちらを取るか?を迫られた斎藤は大門を選ぶ。
恵那に別れを告げた斎藤の言葉。
ここまでにしよう。
君も気づいていたと思う。
俺と君はいつの間にか相克の関係にある。
生半可な情理などで、それは埋められないものだ。
近い将来、君は俺を憎むことになるだろう。
それでもそういう君をこそ俺は好きだった。
それはきっとこれからも変わらない。
本当にありがとう。元気で。
「相克」とは、2つのものがお互いに相手に勝とうとして争うことだそうです。
すごい運命だね。
真実を伝えられないなら、キャスターなんてただの嘘つき人形です。
『ニュース8』のキャスターに返り咲いた恵那。高圧的な上司への言葉。
真実を伝えられないなら、キャスターなんてただの嘘つき人形です。
覚悟はしてますからご都合が悪ければいつでもさっさと降ろして頂いて結構です。
言い返されてしまった上司はセクハラで応戦。
浅川恵那も30過ぎるとこんなに骨ばってくんだ。
女の旬ってのはまったく短いもんだね。
あっ、これセクハラじゃないから。
恵那、「セクハラかどうかは言われた方に決めさせてもらえませんかね」とにらみつける。
よく言った‼
「セクハラじゃないから」って、俺は例外だから許されるみたいな奴、なんなんだよ。
第6話 メモ
組織における筋
元警察庁長官だった大門副総理から斎藤を通して「松本氏の冤罪については触れるな」という圧力が大洋テレビにかかる
→報道部では扱えない
→村井の独断で『フライデーボンボン』で、目撃証言が嘘だったことを放送
→一斉にニュースになり、世間の関心を集める
→大洋テレビも報道せざるを得なくなる。
という流れでしたが、大門副総理のご機嫌を損ねないために、
『フライデーボンボン』は打ち切り、担当プロデューサーの村井さんは関連会社へ、岸本拓朗は経理部で異動させられる…という”粛正”を行って”示し”をつけたということでした。
斎藤は大洋テレビを退職することで、大門への筋を通したってことかな?
『贈る言葉』の歌詞とリンク?
『フライデーボンボン』の最終回後の飲み会で、淡々と恵那(と拓朗)が歌い上げる『贈る言葉』。
信じられぬと嘆くよりも 人を信じて傷つく方がいい
求めないで優しさなんか 臆病者の言い訳だから
初めて愛したあなたのために
飾りもつけずに贈る言葉
信念をもって行動した村井と、お互いに思い合いながらも別れることになった斎藤へ贈る言葉のようでした。
まさみの歌に感動。。
感想:村井さんを誤解してた‼
しびれるセリフが盛りだくさんだった第6話。
なんといっても、あのセクハラ・モラハラ・パワハラの最悪な上司だと思っていた村井さんが、実は部下思いの超優しいおじさんだったということが判明。
部下のキャリアはもちろん、恋愛の心配もしてくれるなんて!口の悪さからは想像がつきませんでした。
『エルピス』がこんな展開を迎えるとは。
そして、安定の歌のうまさ。今回も村井さんのカラオケシーンがありましたが、やっぱり無駄にうまい。尾崎豊の『卒業』。
まさみと郷敦のデュエット『贈る言葉』も良かった。役者さんってすごいですね。
「局内であんなババア扱いされてんのに、なんか希望持てる」と、元ボンボンガールのあさみちゃんに希望を与える恵那の復活劇も良かったです。
まさみをババア扱いをするテレビ局のオッサンは毎回腹立たしいですが、流さずに言い返す恵那が見られるのも嬉しいです。
“あからさな粛正””組織における筋”を見せつけられた第6話は、いつも以上に組織あるあるが満載。
『フライデーボンボン』の飲み会が、第1話ではまとまりがなく、仕方なく参加させられてる感じでしたが、第6話ではお互いに別れを惜しんでいる感じがありました。
何かをきっかけにバラバラだったチームが団結。そして、理不尽な理由で解散を迎える…という、これもまた組織あるあるだと思いました。
ムカつくことも多いけど、お互いに一緒に働けて良かったと思える瞬間もあるんですよね。
こういう描写がリアルだからこそ『エルピス』の世界が楽しめるのだと思いました。