広末涼子さんが不倫をされていたということで、大騒ぎになっていますね。
広末さんと同年代の私としては、今さら特に驚かないけど、なんだかなあ感があります。
色んな意味でなんだかなあ。です。
別に、良いのではないでしょうか?
騒いでいる皆さんは一体、広末さんに何を求めているんですか?
ベストマザーとやらに定義はあるんですか?
賞を取ったからなんなんですか?
良妻賢母って言葉まだあったんですね。
ここ数年、40代になっても変わらぬ美貌で女性の憧れとして扱われていた広末さん。
雑誌『STORY』の連載タイトルがすべてを物語っている気がします。
「毎日が3兄弟ママで、女優。」
気がついたら、すべてを手に入れていた存在。それが広末さんだった!という感じ。
先月放送されたテレビ番組『まつもtoなかい』では、高校時代に「二兎追うものしか二兎は得られない」と岡田准一くんに語っていたと話していました。
二兎も三兎も四兎も追いかけていたと。
すごくわかる。
広末さんと同年代だからこそ、二兎も三兎も得ることのエラさが。
頑張れば手に入ると信じて、頑張ることの正しさが。
大学時代には酒井順子さんの「30代以上、未婚、子ナシは女の負け犬」という『負け犬の遠吠え』が話題になりました。
結婚して・・・子供産んで・・・仕事も持たなきゃだめなんだ。あと学歴も?
え?人は見た目が9割?あ、見た目も必要ですか・・・。
仕事だけじゃダメ。勉強できるだけじゃダメ。見た目も良くなきゃダメ。
あれもこれも手に入れなきゃダメだと各方面から脅されてきたロスジェネ世代。
その成功者のような広末さんはベストマザーで朝ドラの母親役で、毎日が3兄弟のママで、女優。
それも、若かりし頃の透明感を維持したままで。
あっぱれだ。
いつの間にか広末さんは「お手本」みたいな感じで姿を現すようになりました。
ロングスカートをひるがえして、振り返るこの人の微笑みをどのように受け取るのが正解なんだろう?
すみません、なんかもうお腹いっぱいです。
広末さんにではなく「あれもこれも手に入れた人がエライ」という風潮に。
夫もいて、お金もあって、仕事もあって、家もあって、子ども3人いて、学歴もあって、賢くて、美しくて、お金もあって、あれもあって、これもあって・・・・・
じゃかあしい、知らん!!
あ、心の西加奈子が出てきました。
私は神戸&西宮育ちなので「じゃかあしい」は使いません。
どちらかというと・・・
うっさいんじゃ、ボケ!!
西加奈子さんの『くもをさがす』の中に、「幸せそうって思われたい!」という雑誌のタイトルに衝撃を受けたいうエピソードがあります。
「幸せになりたい!」ならまだ分かる。能動的な願いだ。
西加奈子『くもをさがす』より
でも、「幸せそう」って思われたい、とは、そこにもはや自分の意志はない。
ただただ他人から自分がどう思われているか、という考えだけに乗っ取られている。
「幸せそう」に見えて不幸な人より、「めっちゃ不幸そう」に見えて幸せな人の方が私はよっぽどいいと思うのだが。
笑ってしまった。どんな特集だったのだろう?
幸せそうに見えるというより、他人に羨ましがられるような高価なアイテムが並んでいるだけだったりして。
私たちはどこまで単純でバカな生き物だと思われているのかしら。
私は、広末さんが不倫をしていたからって、広告を取り下げる必要もないし、映画を降板する必要もないと思う。
彼女の印象はずっと変わらない。
見誤ったのは広告主や興行主の方ではないか?
迷惑を被ったとしても自業自得だ。
不倫をしていても「毎日が3兄弟ママで、女優。」には変わりない。
なのに、連載を中止して過去ログを削除したり、犯罪者のように扱うのはおかしい。
広末さんをあれもこれも手に入れた人として評価していたのなら、「夫以外の恋人」もその保有アイテムにカウントすれば良いではないか。
結婚して子ども産んで稼げ。じゃなきゃ負け犬に認定するぞ。
飯はうまく作れ、いつもキレイでいろ。でも、不倫はするなってなんだそれ。
冗談はさだまさしだけにしてくれ。
女優さんを「はい、この人みたいにあなた達も頑張ってくださーい」と勝手にお手本に仕立て上げ、
お手本らしからぬ行動が発覚したら、誠に遺憾!と一斉に引きずり下ろす。
そしてまた、新たなお手本を見つけて来てベストマザー賞を授けて…を繰り返すのだろうか。
別にいいけど、他人にどう思われるか?なんて本当に馬鹿馬鹿しい指標だな。
私はもう負け犬でも化け猫でもなんでもいいです。
これから私は、めっちゃ不幸そうに見えても幸せな人を目指したい。
みんなが欲しがるマストアイテムではなく、私だけの幸せアイテムをゲットするのだ。