ずっと観たかった映画『遠い山なみの光』を観てきました。
先月、映画『宝島』を観た時に、広瀬すずちゃんに感動し、絶対に他の作品も観なければ!と。
でも、暴力シーンのある映画だったら嫌だなと、躊躇していたのですが大丈夫
めっちゃくちゃ面白かったです。
これぞpicture?
まず、冒頭のシーンで、もう満足。笑
この美しい映像がこれから続くのかと思ったら、観に来てよかったー!と思いました。
全編通して、映像が素晴らしくて、まさにpicture!って感じでした。
物語の舞台は、1952年の長崎と1982年のイギリスなのですが、どちらもすごく美しい…。
家の内装や小物、ファッションを見ているだけで楽しいです。
現代パート部分でも1982年なので、けっこう昔。
ルイジ・ギッリの写真を思い出すところもあり、どちらの時代も美しく描かれていて、何度でも観たい!


顔より骨?
1982年のイギリスで生活している女性(吉田羊)は、1952年に長崎にいた悦子(広瀬すず)なのか?それとも、佐知子(二階堂ふみ)なのか?
というところが芯になるわけですが、お三方とも骨格が似てると思いました。
悦子と佐知子、どちらの可能性もあるな?という説得力がまたミステリーなんですよねえ。
『あんぱん』を思い出した
悦子は戦時中、小学校の先生をしていて、自分のせいで生徒たちを死なせてしまったと悔いています。
悦子が、朝ドラ『あんぱん』の主人公・のぶのような愛国の鑑だったかはわかりませんが、義父である校長先生(三浦友和)は、のぶ的な人だったようです。
かつての教え子から、「あなたがやっていたのは教育ではなく洗脳だ」と糾弾されて激怒。
実の息子(悦子の夫・松下恍平)には、自分が出征した時の父親の誇らしげな顔が忘れられないと嫌悪されています。
で、当の本人は、自分は間違っていない。「正しい」と思いたい感じ。でも…というところでしょうか。
『あんぱん』ののぶのように、戦後すぐに「自分は間違っていた」と思える人ばかりではなかったんですよね。。
ミステリーの中に、1952年の長崎の空気が漂っていて勉強になりました。
広瀬すずに背負わせすぎ疑惑
映画『宝島』では、沖縄の基地問題を背負い、この映画では長崎の被爆体験を背負っている広瀬すずちゃん…。
しかも、両方とも小学校の先生役。
日本映画界は、広瀬すずに背負わせすぎではないか?!と思ったけど、広瀬すずちゃんって、日本映画史上最高の女優さんだと思います。すごすぎる。
悦子の持ち物には、女優のスタイルブックのようなものがあり、ファッションに興味があることを伺わせます。
そして、目の前に現れたのが、雑誌から飛び出したような鮮やかなファッションの佐知子。
現実にいる人なんだろうか?という違和感が最初からあり、「アメリカに行く」と言ったり「イギリスに行く」と言ったり。心の不安定さも感じさせ、危うい感じ。
もしかしたら、この娘は…?と思わせるところとか、「?」がポコポコ出てきて、最後に回収されていく見事なストーリーでした。
あ~、また見たい!
遠い山なみの光とは?
希望ですよね。
佐知子が語っていた希望。希望を持たなくちゃ、悦子さん。って。
希望の先にあったのが1982年であり、現代なのだと思いました。
私たちの生きる世界は、大きな絶望の先にある希望。
違うかもしれないけど、私はそう思いました。












