あるきっかけがあって、フリマサイトで、雑誌『アルネ』を数冊買いました。
『アルネ』は、2002年~2009年にかけて発行されていた雑誌です。
https://www.1101.com/store/sayonaraarne/about/index.html


2002年あたりって…
A4サイズぐらいの大きさで、定価525円の、手作り感あふれる雑誌。
本屋さんで見かけたことある!けど、当時、二十歳そこそこだった私の心には刺さりませんでした。
2002年あたりの私は、美容雑誌『VOCE』に夢中!
まだ『MAQUIA』は存在せず、美容雑誌は『美的』と『VOCE』ぐらいだったような。
価格も450円ぐらいで、分厚くて、読み物が面白くて…「読む雑誌」として『VOCE』から刺激を受けていました。
そんな刺激とは正反対の世界観、『アルネ』ですが、40代になった2025年の私には刺さった!
『アルネ』、面白い!


豊かさ
『アルネ』は、2009年に30号をもって終了。
その後、2010年に『アルネのつくり方』という別冊を出されて、イラストレーター・大橋歩さんが『アルネ』を作った理由、過程の詳細が綴られています。
たまたまこの別冊も入手できたのですが、この『アルネのつくり方』を踏まえて『アルネ』を読むと、愛おしさが増します。
写真、イラスト、文章…すべて大橋さんが手がけられていて、寄稿者も贅沢だけど、全体的にとても豊かなのです。
この豊かさ、どこから来るのでしょうか?
おそらく、
「余白」
です。
紙面に、余白がたっぷりあるのです。
けっきょく、よはく?
ネットがメインじゃない時代
写真は、大橋さんがデジカメで撮っています。もちろん、プロではありません。
『アルネのつくり方』には、デジカメも紹介されているのですが、一眼レフですらない普通のカメラです。(たぶん)。
おそらく、現代のスマホの方が性能が良さそう。
でも、雑誌としては見劣りしない、なんとも味のある、ホッとするような写真が並びます。
モノの並べ方や、小物との組み合わせなど、めちゃくちゃオシャレ!
表紙もステキ!


淡々としているのに、大橋さんが伝えたかったこと、作りたかったものが伝わるのですよね。
そして、最後には「30冊で考えていたこと全部をお伝えした思いがあります」と。
かっこいい~!!
2025年に、『アルネ』をめくると、「パが悪いな」と思いました。
コスパとかタイパとか、色んな「パ」がありますが、「パ」が悪いなと。。
何パかはわかりませんが、「パ」が悪いところが贅沢で、心が緩まる気がするのです。
ネットがメインじゃなかった時代の灯のような。
このブログの名前にした「余白と必要ムダ」を存分に味わえました。
淀川美代子さんの映画コーナーを噛みしめるように読んでしまいました。
『アルネ』で、目と頭が喜ぶ、素敵な体験をしております。

