映画『宝島』を観ました。
公開を知るや否や、超おもしろそう!と食いついてしまったのですが…
公式サイトのあらすじはこちらです
1952年、沖縄がアメリカだった時代。
米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。
いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ、突然消息を絶つ…。
残された3人は、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。
しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。
やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す――。
消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?
そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは――。
予告編
超~おもしろそうじゃないですか?
おもしろかったですよ!!
国宝と比べて
『国宝』と比べる必要はありませんが、2025年9月に公開されたのだから、『国宝』との比較からは逃れられないと思います。
タイトルも似ているし。。
当然ですが、『宝島』は『国宝』とはまったく違う映画です。
私は両方とも公開初日に観たのですが、『国宝』は無邪気に人に勧められたけど、『宝島』はちょっと勧めづらいです。
なぜかと言うと…
『国宝』の世界は他人事にできるけど、『宝島』の世界は100%他人事にはできないから。
でも、私は観てよかったし、こんなすごい映画を作ってくれてありがとうという気持ちになりました。
こんな映画が作れる国、すごいなと思いました。
『国宝』と同じ部分があるとすれば、「3時間があっという間」と「絶対映画館で観た方が良い」というところですね。


キャストがすごい
私は母と観に行ったのですが、見終わって母がしみじみと…
「役者さんって、バカじゃできないわね」。
本当にそう!って思いました。『宝島』の出演者の骨太なこと!
演技力だけじゃない、人間力?頭の良さを感じました。
そうじゃないと、こんなお芝居できないよなあ…と。
noteにも、すずちゃんやばい、妻夫木くんやばい、と書いたのですが…瑛太と窪田正孝くんも超やばかったです。


歴史の目撃者?
「コザ騒動」という実際にあった暴動のシーンが出てくるのですが、暴動を目撃した気持ちになりました。
鑑賞じゃなくて、目撃!
映画全体を通して、歴史の目撃者になったような錯覚があります。
その歴史はとても辛いですが、日本の話です。
主演の妻夫木くんが叫ぶ「なんくるならんど」が胸に突き刺さりました。
「なんくるならんど」ってすごくないですか?
沖縄と言えば、「なんくるないさ~」。
沖縄の人の「なんくるないさ」を「なんくるならんど」に変えてしまった。その悲しさと申し訳なさ…。


3つのポイント
①映画を観ながら、ちきりんさんのこのブログを思い出しました。


もしも、映画を観る前に「沖縄の歴史を勉強しなきゃ!」と思ったら、このブログを読むだけでも良いと思います
②HERO’s ISLANDのヒーローとは誰のこと?
HERO’s ISLANDは、宝島の副題のように使われていて、「英雄とは?」「宝とは?」というのがポイントになります。
私は観終わって、1週間、考え続けました。笑
③武器を持つことの意味
「核兵器は安上がり」と言い放つ政党が支持を集める2025年に、この映画が公開されたことがびっくりです。
2回頓挫しかかりながら、6年かけて製作されたそうですよ。
今年だからこその説得力があると思いました。


大丈夫
バイオレンスなシーンが苦手な私でも、ギリギリ見られました。
原作は未読ですが、色んな話を聞くと、私は原作は読めないかも…。
映画化するにあたって、なるべくたくさんの人が見られるように配慮された部分がたくさんあったのだと思います。
私、今回、舞台挨拶付き上映会に当選してしまって、チケット代が諸費用合わせて3,000円を超えたんですけど、全然惜しくなかったです。それぐらい、「ものすごいものを見た」という驚きと感動でいっぱいになりました。
なので、通常料金2,000円で観ても大丈夫ですよ。ぜひ。笑
舞台挨拶で、妻夫木くんが、この映画に携わったことは、死生観を変えるような出来事だったとおっしゃっていました。
「つながっていく命」―
ここは核心の部分なので避けますが、ものすごくリアルで感動したシーンがありました。
このシーンを男性の監督が撮ったということにびっくり。
本当に丁寧に、誠実に作られた映画だと思いました。
https://www.takarajima-movie.jp

