先日放送された『徹子の部屋49年目突入スペシャル』、ご覧になりましたか?
メインのゲストは将棋の藤井聡太くんだと思うのですが、マツコ・デラックス氏との対談が面白かったー!
今のマツコ氏と黒柳さんの組み合わせは、両方の面白さが引き出される気がします。
『徹子の部屋』がもうすぐ50年・・・。
マツコ氏が「人間だから、同じことを継続するのは飽きちゃうでしょう」と言うと、黒柳さんは「飽きるっていうことがあんまりないの」とおっしゃいます。
褒め言葉だと強調して、「徹子さんって人間じゃないのよ」と返すマツコ氏に賛同してしまいます。
折しも私は『魔女の宅急便』全6巻を読んでいたのですが、登場人物のこんなセリフを思い出しました。
魔女のキキの娘・ニニが魔女の修行をするかどうかを自分で決めなくてはならないという時に、キキの夫・トンボが言った言葉です。
いちばんたいせつなことは、あきっぽいニニが、あきないほどおもしろいものを見つけることじゃないか。
『魔女の宅急便』第6巻 かくれた名前 より
それが魔女じゃなくてもいいじゃないか。
あきないほどおもしろいもの・・・。
徹子の部屋を見ながら、黒柳さんの魔法を見た気がしました。
黒柳さん、日本でテレビ放送が始まる日にNHKに入社してテレビに出ていたそうです。
それからずーっとテレビの中に。
徹子さんはなんのポリシーを発表するわけでもなくさらりと生きてらっしゃるから、みんなあんまり意識してないと思うけど相当進んでる方ですよ。人生が。
私すごいことやってますよ。と言うわけでもなく、さらっと50年、番組を続けている。
歴史を感じさせないのがすごい。
奇跡っていうふうに感じない。
何の疑問もなく、日常生活の中でみんなが見ている。
と、マツコ氏はおっしゃいます。
たしかに、黒柳さんって「私すごいことやってますよ」感が無いかも。
サラッとしていて、いつも楽しそう。
・・・魔女?!
もしや魔女なのか??
1976年の、越路吹雪さんがゲストの回の映像が流れました。
黒柳さんがめちゃくちゃカワイイ。
計算したら43歳のようだけど、とんでもなくかわいい。
43歳には見えないけどじゃあ何歳に見えるかと言われるとピンとくる年齢は無い。
なんかすごく楽しそうな人。そして、言葉遣いがステキな人。
「越路吹雪さんはテレビにお出にならないからね、ぜひ越路吹雪さんに出て頂きたいという方もたくさんいらしたし、また皆さんどうしてテレビにお出にならないのかって疑問に思ってらっしゃる方もあると思うんだけど、そこんとこお聞かせいただけるかしら?」なんておっしゃる。
今だったら、「越路吹雪さんはあまりテレビに出演されませんが、その理由を聞いてもいいですか?」みたいになりそう。
〇〇かしら?って、おばさん構文らしいですね。
推量も推測も配慮もすべてを込めて三文字で終わる「かしら」。
やっぱり便利だなあ。
相手への質問を「そこはどうなのかしら?」とか「~だって聞いたんだけど?」で終わらせることも新鮮に思えました。
それでも会話は柔らかく続いていく。
無駄な言葉が多い上に、何かが足りない気もするけど、それが場の豊かさになっている気がします。
他にも、過去のアーカイブ映像が流れていましたが、私が生まれた1982年あたりの女優さんたちの言葉遣いもステキでした。
〇〇って、ございますでしょ?
あたくし、〇〇なところがあるものですから・・・
ええ、まあ、そうですわね。
女性同士の敬語って、男性が使う敬語とは違うんですよね。
〇〇なのね、それでね、あたくしがね、 と「ね」で区切るのも聞き取りやすくて意外と良いですね。
久しぶりに「よそゆきの言葉」を聞いた気がしました。
家の中で、電話に出る時にお母さんの声が変わるところはまさに”よそゆき”。
女優さんたちだって四六時中あんな話し方はしていないはず。
それはテレビ用、仕事用の”よそゆき”。
おばあちゃんのよそゆきの話し方、懐かしいなあ。
昔から黒柳さんはゲストにズバズバとなんでも聞いちゃうし、過剰な敬語も使わないけど、常に相手に敬意を持っていることがわかるし、黒柳さん自身が楽しそうです。
これを約50年間、週5日とは!
マツコ氏に「子供の頃からトップランナーよね」と言われて、「そんなのとっても嬉しいわ」と喜ぶ黒柳さん。
見てるとこっちも嬉しく、楽しくなってしまうのは、黒柳さんの魔法なのかもしれませんね。