皆さまは90年代J-POPに『ポイズン』というヒット曲があったのを覚えていますか?
私の記憶では2曲出てきます。
布袋寅泰さんの『POISON』(1995年1月発売)と
反町隆史さん(以下、敬称略)の『POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は~』(1998年7月発売)。
今、この反町隆史の方のポイズンが時空を超えて、全国の赤ちゃんとその家族を救っていることをご存じですか?
反町隆史のポイズンを聴かせると、赤ちゃんが泣き止むんです!!!
YouTubeには『30分間CMなしで再生できるポイズン』という動画も存在するほど「赤ちゃん 寝かしつけ ポイズン」は一般化した説で、実際、本当に泣きやみます。
我が家の赤子に試してみたら本当だったので驚きました。
以来、数か月にわたって我が家に響き渡る反町の超低音ボイス。
気になったので、反町の別の曲(『ビーチボーイズ』の主題歌)をかけてみたのですが全然泣き止みませんでした。
赤ちゃんはポイズン一択!
反町のおかげで私はお風呂に入ることができています。(私がお風呂に入っている間、夫が反町を流しながら赤子を寝かしつけるルーティーン)
ありがたすぎて、我が家では「反町大明神」とお呼びして神扱い。
なぜ、反町なのか?なぜ、ポイズンなのか?なぜ、泣き止むのか?
さまざまな考察があるようですが、決定的な根拠は無いようです。
そこにあるのは「反町のポイズンを聴くと赤ちゃんが泣き止む」という事実だけ。
夜な夜なポイズンを聴いていると色んなことを考えてしまいます。
「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ ポイズン!」
1998年は言いたいことも言えない世の中だったのでしょうか?
翌1999年には嵐が『A・RA・SHI』の中で、
「今日もテレビで言っちゃってる 悲惨な時代だって言っちゃってる」と歌っています。
どんな時代だったっけ?
ポケベルが鳴らなくて恋が待ちぼうけすることは無くなったものの、携帯電話は折りたためなかった気がします。
私は高校生でまだPHSでした。ドコモはiモード、J-PHONEが写メール機能を付けた頃でしょうか。
スマホもTwitterもハッシュタグもある現代は、あの頃よりも言いたいことが言える世の中なのかしら。
言いたいことが少しは言えるようになったけど、言わない方がいいこともあるし、言いたいことを言ったら炎上したり、炎上が怖くて言えなかったり。
結局、いつの時代も言いたいことなんて言えないし、言わない方がいいのかな。
秘すれば花か?見ざる言わざる聞かざるか?
けれども、反町隆史は続けます。
「まっすぐ向き合う現実(いま)に誇りを持つために 戦うことも必要なのさ」
いつの時代も言いたいことを言うことは戦いであり、勇気を伴うもの。
それでも、言いたくないけど言わなきゃいけないから言ってくれた人、聞いてもらえなくても言い続けてくれた人がたくさんいたのだと思うことがあります。
妊婦健診費用助成金・出産一時金の増額、保育園の増設、液体ミルクの解禁…。
2021年に子育て中の私が享受していることの一つ一つが、ここ数年で格段に良くなっています。多くの先輩方が戦ってくれたからこその賜です。
それが時に「日本死ね」という言葉だったとしても、言いたいことを言ってくれた人に私は感謝しています。
たとえば、保育園の待機児童問題はずーっと前から議論されているのに、一向に解決しない原因の一つに「待機児童問題はすぐに喉元過ぎて熱さを忘れるからだ」と聞いたことがあります。
どんなに困っても、待機児童問題の当事者になるのはほんの数年だけ。一生、待機児童問題に困り続ける人はいません。
子供が小学生になってしまえば終わりです。
だから、待機児童で困っている人の声は上がっては消え、上がっては消え、なかなか大きな声にならない。
行政は小さな声は拾い上げません。
待機児童問題に大声を上げ続けられる人というのは「目的を達成しても自分は恩恵を受けられないけど、自分が困ったことは次の世代が困らないようにしたい」と行動し続けられる人なんですよね。
液体ミルクも同じです。
粉ミルクはお湯が必要だし、哺乳瓶を洗って消毒しなければなりません。手間がかかる上に、災害時に非常に困ります。
欧米では液体ミルクというそのまま飲めるミルクが認可されています。
日本には無かったのですが、厚生労働省に働きかけた方々がいて長年の戦いを経て認可され、今は当たり前のようにドラッグストアで手に入るようになりました。
子育てに関する困り事は、頑張ってクリアしても当事者はその恩恵を受けることができない。それでもやる。だから、未来が良くなる。
名が知れることはなくても、戦ってくれた人の存在を感じます。
情報が多すぎて困ることもあるけど、現代で子育てができることは非常に幸運だなと思います。
この先も「今のお母さんはいいわよね。私の時代なんてさ〜」と愚痴れるほど未来が良くなってほしい。
そのために私もたまには戦っていかなくては。ポイズン!
ちなみにWikipediaによると、『POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は~』を作詞したは反町隆史ご本人、『A・RA・SHI』の作詞は、SexyZoneの菊池風磨くんのお父様だそうです。
びっくり!