『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』の話です
教育やりすぎ?やらなさすぎ?
昨日見たNHK『あさイチ』が「私の教育、やりすぎ?」という特集でした。
全国の教育熱心なお母さまたちのエピソードは身につまされます。
しかし、私の現在の悩みは、どちらかというと「教育やらなさすぎ」の方。
つい最近も娘(小2)のお勉強どないしようかとマイノートに書きながら考えていました。
もうすぐ2年生の終わりを迎えてしまうけど、自宅での勉強時間ゼロのままで良いのだろうか・・・。良いわけないよなあ・・・。
なんとタイムリーな特集!
冒頭から、視聴者の教育やりすぎエピソードが続きます。
受験を控えた子供の学校の面談に行ったら、黒板に大きく「カエルの子はカエル」と書かれていたというお話が。
子どもにプレッシャーをかけているという自覚があったお母さんは、その黒板の文字で我に返ったそうです。
受験を控えた面談で、目の前にでかでかと「カエルの子はカエル」ってすごいですよね。
すると、8時55分に小児科医が登場しました。
お名前を聞いた途端、急いで録画スイッチを押しました。
この人、知ってる!
この方は、小児科医の高橋孝雄先生。
私は先生のご著書『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』がバイブルなのです。
どこからが「やりすぎ」かと質問された高橋先生はこう答えられました。
「受験に向けて頑張れ」と言うのは決して悪いことじゃないですよね。
NHK 2024.1.22 『あさイチ』より
ただ親が、どこどこの学校に合格することが目的で「今は頑張って勉強しなさい」と。
そこまでやると「いきすぎ」になると思う。
わあ!明確な線引き!
でも、「やりすぎ」の線引きは意外と浅いところにあるな?こんなの皆そうじゃないの?
高橋先生の元に相談に訪れる親子には特徴があると言います。
それは、目標設定を親がしているというところ。
目標は子どもに決めさせてあげることがポイントだとおっしゃいます。
意思決定力を育んでから、目標を子どもが自分で設定することが大事だそうです。
そして、自分の教育を押しつけてしまったと後悔している親に対してこんなことをおっしゃいました。
自分の育児、受験を含めて後悔することはよくあると思うんですね。
NHK 2024.1.22 『あさイチ』より
「後悔」って、とても僕は好きな言葉で、それほど深い愛情ってないと思う。
いちばん深い親の愛情って10年20年30年も経った後に、「ああ…」って後悔したら深い愛情だと思いますね。
だから後悔することを恐れない方がいい。
わ~~!
現代の「教育」と呼ばれているものはすべて「後悔しないためのもの」かも。
あの時ああしていればよかった・・・とならないためのもの。
転ばぬ先の杖は何本あってもいい。
後悔なんてしたくない!でも、先生は後悔が好きだと!?なんという境地・・・。
教育やりすぎ母の気持ちで最も多かったのは「私みたいになってほしくない」というもの。
わーかーるー!
私も子どもには私みたいになってほしくない・・・。
「私みたいになってほしくない」のなら、あなたがなりたかった自分にこれからなればいいと思いますね。
NHK 2024.1.22 『あさイチ』より
親自身が幸せになることがまず第一で、幸せである姿を子どもの見せることが最大の教育であり、しつけだと僕は思うんですね。
もしそこに自信がないなら、ご自身が幸せになることが先決です。
ご自身が幸せな感覚を味わうために子どもを利用しないでほしい。
ぜひご自身の力で幸せになって頂きたい。
うわ~。
うわ~。
親の努力の矛先が自分に向かいました。
グサッ。
子育てバイブル『最高の子育て』
私がバイブルにしているご著書を久しぶりに開いてみました。
バイブルと言いながら細かいことは忘れてしまったのですが、目次を読んでいるだけで思い出しました。
「トンビがタカを産む」は遺伝的にはありえません。
人よりちょっと早くできるようになるだけ。早期教育にはほとんど意味がありません。
日本の義務教育の質は高いです。よけいはお金はいりません。
などなど、私に都合の良い言葉が並びます。笑
こうして、”やらなさすぎ”母が1人誕生したわけですが、「はじめに」の言葉は何度読んでも感動します。
早産でごくちいさく生まれた赤ちゃんの脳にはしわがないのですが、それでもじっと待っていれば、保育器のなかでさえも、大人と同じパターンのしわがきざまれるのです。
『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』 はじめに より
(中略)
仮死状態で生まれて、「もうだめかも」という危機的状況におちいっても、あらかじめ約束されていたかのように息を吹き返す。そんな奇跡のような瞬間に立ち会って、「遺伝子が描いたシナリオ」を実感してきました。
(中略)
目には見えない遺伝子こそが「子どもを信じる」根拠なのです。
私がこの本を読んだのは、娘を出産して1年ほど経ったころだったと思います。
早産児が保育器の中で大人と同じパターンのしわが刻まれる・・・という話は驚きました。
遺伝子って・・・強い。
学ぶことは好きなことで楽しいこと
番組には、臨床心理士の武田信子先生が出演されていました。
最後に、視聴者に向けて優しく、こんな言葉をかけてくださいました。
子どもも大人も、学ぶことは好きだと思うんです。
NHK 2024.1.22 『あさイチ』より
今の日本は、親も先生も「勉強することは嫌なこと」「嫌だけどやりなさい」という前提で進んでしまっている。
子どもが「あれ学びたい」「 これ学びたい」と言い出すことを待つことが大事。
今の日本の社会や教育が、「上へ上へ行きなさい、今失敗したらアウトよ」という考え方に皆がなってしまっている。
考え直して、価値観を変えていくという段階に入っているのではないかなと思います。
わ~NHKが、2024年1月22日にこんなメッセージを打ち出すなんて!!
めっちゃ水瓶座の時代やーん!!というのはさておき。
服部みれいさんのブログを思い出しました。
「△から○の時代へ」という言葉の意味、わかりますか?
△は従来のピラミッド構造の社会のことで、〇はピラミッド構造が崩れた新しい社会の形・・・という感じです。
みれいさんが数年前からアツく語っておられる「皇の時代」という考え方に出てくる概念ですね。
卵が先かニワトリが先かはわかりませんが、〇の時代には「上」が無いから「上へ上へ」という姿勢は機能しなくなりますね。
しめしめ。
自分的教育とは?
最後に、現時点での私の、自分的教育を考えるとしたら、お金と時間をかけないことが良いと思いました。
お金と時間をかけるからイライラするのではないかと。
お金と時間がかからない勉強法とは?
本屋さんで1000円以下のドリルを買って、2,3分でできるものをさっとやらせる。
それすらできない日があっても良い。
だって、カエルの子はカエルだもの~。
うちの小2娘は毎日楽しくて仕方がない様子なので、よしよし遺伝子いい感じだなと見守っております。
3歳息子はまだ空想の中で、現実社会にも降りてきていない気がします・・・。
思い返せば私も、汲々としたワーキングマザー時代は、苦しいことが当たり前だったので、子どもの事も平気で苦しめていた気がします。
3歳からZ会の通信教育を取っていたし、バレエを習わせたり、そこそこ教育熱心な感じでした。
(習い事6つ&お受験系保育園に通わせるママ友もいたので、「私なんて全然」って思ってたけど)。
苦しいのが当たり前だから嫌でも保育園へ行って欲しかったし、苦しんでナンボ。
勉強や習い事も本人の意思や個性に関係なくやらせていました。
子どもに投げかける言葉も冷たかったと思います。
食材は今より良いものを使っていたけど、義務感と責任感とやらされ感で、本当に健康的な食事だったかは謎。
高い子ども服もいっぱい買ってました!
ワーキングマザーを脱落することを自分に許した後、Z会は2年分まるまる封も開けずに溜めた挙句に解約しました。
親も子も通信教材に向いてなかったし、ましてやZ会は難しすぎました・・・。
服も、子どもが好きな服を好きなように着ることをかわいく思えるように。
以前は、何それダサい!かわいくない!ってケンカしてました・・・。
できない自分を許せるようになったら、子どもがやることすべてを頼もしく思えるようになりました。
とはいえ、教育に関する悩みは尽きませんが・・・。
思いがけず、バイブルに立ち返る機会に出会えてよかったです。