大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、皆さまはご覧になってますか?
私は録画してたまに見ています。
私が大河ドラマを見る理由は、だいたいミーハー心です。
鎌倉殿の場合は「三谷幸喜・新垣結衣・宮沢りえ」が見なきゃポイントでした。
私は自他共に認める日本史オンチで「世界史受験だったから日本史やってない」を言い訳にして生きてきましたが、一般常識レベルも怪しい感じなのでお恥ずかしいかぎりです。
先日、息子が昼寝、娘が一人遊びをしている間に、溜めていた録画を家事の片手間に見てみました。
うーむ。。わかってはいたけれど、やっぱりツラいストーリー。
なんなんだ、この時代。
まったく理解できない!!
中川大志くん演じる畠山重忠殿が、言われなき謀反の罪で討ち取られ、無念のあまり「中川大志の大河主演を見届けるまで死ねない」というご年配の方が続出しているとか。
ええ、わかります。ミートゥーです。
武士の鑑・中川大志。
いや、畠山重忠殿。
もうどっちかわかんないけど、無念極まりない。
『鎌倉殿の13人』は、ずっとこんなことをやってるんですよね。
誰かがついた嘘で、無実の罪を着せられて殺される・・・。
呪い系も多いですね。
なんで信じる?なんで騙される?落ち着けよ!!
なんでこんなドラマを作ったんだろう?
なんでこんな時代を題材にしたんだろう?
なんで?
とずっと考えていたのですが、「まあ、あるよね、こういうこと。私もあった!」と納得している自分がいました。
え?鎌倉時代に生きてたの?
いやいや、現代。ほんの数年前の出来事です。
わけのわからない理由で異動になる。
役員の愛人の一言で増える無意味な仕事。
いびり。とばっちり。妄想。虚言。吊し上げ。
言ってないことを言ったことになっている。
○○さんが病気になったのは××さんのせいでしょ?
△△さんがあなたの悪口言ってたわよ。
・・・会社やん。
鎌倉殿、現代社会やん?!
さすがに、あいつ邪魔だから一族郎党、根絶やしにしてやろうぜ!なんてことはないし、命を取られることも無いけども。
畠山殿の無念によって、かつての自分の無念を思い出し、イライラして夫と喧嘩になりました。
ああ、鎌倉殿なんて見るんじゃなかった。
ワインのコルクがスポッと抜けたように、出てくる出てくる負の気持ちが。
あんなこともあった、こんなこともあった。
ドクドクとどす黒いものがボトルから湧き出てきました。
思い出したくなかったけど忘れ去ることもできず、コルクの蓋をしていつの間にか熟成された恨みの数々…。
私はOL時代、常に「復讐心」を持っていたのです。
やられっぱなしでもあからさまな抵抗はせず、いつか爆弾落としてやる的な復讐心。。
15年のうち最後の5年ぐらいは、タタリ神になりそうでした。
第一子の育児休業中、保育園が決まらなくて復帰が危うかった時
「このまま会社を辞めたら復讐できないじゃん!恨みを晴らすために復帰しなくては」
という気持ちが一番のモチベーションでした。
あ〜懐かしい。
すっかり忘れていた。
鎌倉殿を見て思い出しました。
原動力と言っても過言ではない。
あの復讐心はどこへ行ったのだろう?
復讐は果たしたんだっけ?
と思ったら、私、まだ復讐心を胸の奥に抱えているのとに気がつきました。
この恨み、晴らさでおくべきか。
具体的な相手が何人も思い浮かびます。
怖っっ!!!
もう辞めちゃって会社とも縁が無くなったのに。
どういうこと?
どういうつもりなんだ、私!!
良いことないぞ!!
会社って、共通認識に縛られた集団というか、独特の価値観で勝敗を決めてあざ笑う集団という感じがしませんか?
中島みゆきの言う通り、戦う君の歌を戦わない奴が笑うんだけど、お前が消えて喜ぶ者にお前のオールを任せるしかないというか。
私はその集団から抜けたのにまだ戦おうとしている。
15年で染みついた変な癖、心の癖が取れない気がするのです。
ああ、嫌だ。心の底に焦げ付いているこの嫌〜な気持ちをこそげ落とすクリーナーはないものか。
すると、あることを思い出しました。
私はかつて、とてもステキな言葉に出会っていたのです。
それは、退職後に観た映画『アズミ・ハルコは行方不明』に出てきた言葉。
「優雅な生活が最高の復讐である」。
スペインのことわざだそうで、英語では”living well is the best revenge”。
「愉快に暮らすことこそ、最高の復讐である」とも訳されるようです。
過去に何があろうとも、未来の自分の人生を充実させることが大事だし、他人に心をとらわれるなんて無駄!!
ってことですね。
そうだ。私の復讐は幸せになることだ。
今から、ここから、私の復讐は始まるのだと思ったのでした。
全部すっかり忘れていた。
忘れたままでもよかったけど、畠山殿が思い出させてくれました。
ありがとう、畠山殿!!
なんか変なところから不思議な力が湧いてきます。
優雅な生活が最高の復讐である。
もっと貪欲に、もっと自分に集中すれば良いのだ。
自分もハッピーで復讐も果たせる!
一粒で二度おいしい!!
いやあ、頼朝がいた頃も最悪でしたが頼朝亡き後も悲惨…。
なにはともあれ、中川大志くん、いや畠山殿はかっこよかったです。
あの眼差しはフォーエバーです。