「BTS テレビ局だと 思ってた」
というシルバー川柳がありましたが、韓国の超人気スーパーアイドル、いや、世界的大スターのBTS。
先日、突然の活動休止が発表されましたね。
私はBTSに詳しくないのですが、グラミー賞を取ったり、ホワイトハウスに呼ばれたり、世界的大スターになったことは本当にすごいことだと、ただただ感嘆しております。
そんな大きな夢を実現したBTS。これからもっと人気が拡大していくに違いない。
“にわかジャニオタ”の私がどっぷりハマるのも時間の問題だと思っていました。
が、その矢先に、突然の活動休止。
これには驚きましたね。
こんなことってあるの??
このタイミングで??
世界を制したといっても、こんなのまだ序の口だと思っていたし、私だっていつかはハマりたかったんだよう。
BTSは、グループとしての活動は休止して、個人活動に移行するそうですね。
入隊を控えているとの噂もありますが、活動休止の理由として「K-POPやアイドルというシステムは、僕たちに成長するための時間を与えてくれない」とメンバーが語ったというではありませんか。
ARMY(BTSのファン)に対して申し訳ない気持ちがありつつも、「一人で考える時間が必要なんだ」とも。
活動休止そのものよりも、この”理由”の方が、衝撃が大きかったように思います。
K-POPの闇だとか、アイドルビジネスの問題点だとか色々言われているようですね。
私は、BTSのことは詳しく知らないので、ジャニーズアイドルのことを考えました。
私の心の支えである彼らも、同じことを考えていたらどうしよう。
私がジャニーズを好きな理由の一つに、彼らの発する「言葉」があります。
先日、YouTubeで、Hey!Say!JUMPの山田涼介くんが話した言葉もすごく胸に響きました。
それは、アイドルとしての本分をわきまえながら自らを律し、ファンを想い、努力してきたからこそ言える言葉でした。
それを鑑みると、私は彼らが「成長する時間を与えられていない」とは思えない。
忙しすぎて逃亡しようとしたという話はたまに耳にしますが、彼らは常に成長している気がします。
翻って、K-POPアイドルを取り巻く環境は、どれほど過酷なものなのかはわかりません。
いろんな要素が異なるので、安易に比べるべきではないし、もしかしたら、ジャニーズのアイドルも同じ気持ちを抱えている可能性は十分にあります。
はばかりながら申し上げますと、私は、BTSに自分を重ねてしまいました。
「成長の機会を与えてくれない」という言葉を読んだ時、「会社は、自分が成長することを望んでいない」と解釈し、共感してしまいました。
私は、新卒で入社した金融機関に15年勤めて、2年前に退職しました。
やっぱり辞めるべきではなかったのではないかという後悔と、いやいや、辞めてよかったんだよという気持ちが半々です。
退職の理由の一つに、「会社は、私が成長することを望んでいない」というものがありました。
「私が」というか、「女性が」です。
森喜朗氏の「わきまえている女性」発言を地で行く世界だったので、私は、わきまえきれない15年を過ごしました。
若くて独身だった頃は、わきまえきれないキャラでも許されていたのですが、若さを失い、社外の男と結婚し、子どもを産んでもまだ辞めないという属性になって以降は、私のわきまえきれないキャラも潮時を迎えました。
なにせ、2019年当時でさえ、人事部発信の社内文書に「体育会系の男子学生を求む」と記載していた会社です。
「わきまえている女性」も「体育会系の男子学生」も、言わんとしていることは同じ。
しのごのいわず、上司・先輩に従える人ということです。
私だって、別に、異論!反論!オブジェクション!なんてやってません。質問をするだけです。
けれど、質問は口答えと捉えられてしまうのです。
例えば、「トマトは今まで赤で塗っていたけど、これからは青で塗れ」という指示があったとします。
これを「ハイ」の一言で聞けるのが正解。なんで青?と思っても、その疑問は封印するのです。
しかし、私はその作業を伝える側でもあります。目的がわかっているのとわかっていないのとでは、作業効率が違います。
だいたい、目的もわからないような作業をさせるなんて失礼です。
「なんで青なんですか?」とは聞きません。
「青にするのは、〇〇のためですか?」とか遠回しに遠慮がちに聞いてみるのですが、歓迎されません。
場合によっては、指示を出している上司も目的を知らなかったりするのです。(知ってるフリはしてるけど)。
1年目から、先輩には「考えるな」と言われてきました。そのアドバイスは的確で、15年経っても有効でした。
考えることはいけないことでした。
この環境に身を置き続けるか、本当に悩みました。
うっかり15年もいちゃったし、他にできることもないし、辞めたらもう一生、正社員として働くことはできないかもしれない。
損得で考えたら大損だし、家族のためにも、自分のためにも、私はこの環境でやっていくしかないとずっと思ってきました。
ちょっとしたきっかけがあり、私の悲壮感バリバリの決意は崩れ去り、お暇に突入するわけなのですが。
まさに、BTSのように「考える時間が必要なんだ」という心境でした。
結局、アイドルもOLも「可愛さ」が求められる職業であり、成長や変化は可愛さが失われることなんですよね。
だから、指示を出す側の人は成長や変化を歓迎しない。
でも、アイドルやOLである前に一人の人間です。
もっと考えたいし、もっと成長したい。変わっていきたいんです。
BTSの言いたいことは、もしかしたら違うのかもしれないけど、私はそんな風に解釈し勝手に共感を寄せてしまいました。
このBTSの活動休止について、服部みれいさんがインスタライブで面白い見解を述べてらっしゃいました。
「あの人たち(BTS)のファンには申し訳ないけど、一つの時代が終わったってことだよね。それは、ああゆう人たちだけがアイドルだった時代が終わって、私たち一人一人がアイドルになっていく時代が来たってことだと思うの」と。
さすが、みれいさん。独特の見解!!
おそらく、一人一人が、自分を表現していく時代が来たということをおっしゃっているのだと思います。
BTSの言葉に、色んな人がそれぞれに、色んなことを感じているようで面白いです。
それだけ影響力があるということだし、一時代を築いたスーパースターなんだと改めて思った出来事でした。