おかいつ賛歌

おかいつ賛歌

「あつこお姉さん、卒業だって」!!!

かれこれ6年の付き合いになるママ友グループLINEでの最近の話題です。

NHKのEテレで1959年(昭和39年)から放送されている『おかあさんといっしょ』。
略して『おかいつ』。
あつこお姉さんとは、現在の歌のお姉さん・小野あつこさんのことです。
先日、3月末での卒業が発表されました。

ううう・・・あつこお姉さんがもう見られないなんて・・・。
てゆうか、もう卒業?!早くない?!こないだ入ったばっかりじゃん!と思ったら、もう6年もお勤めされていたようです。
6年というのは歌のお姉さんとしては長いぐらいです。

あつこお姉さんのデビューから見守ってしまった我々としては感慨深い。
デビュー当初は赤ん坊だった我が子たちも来月から小学生になります。
ありがとう、あつこお姉さん!!
あなたの歌声で、我が子たちは成長しましたよ!

目次

伝説のパーフェクトお兄さん・横山だいすけ

あつこお姉さんのデビュー1年目は、横山だいすけお兄さんのラストイヤーでした。
当時、絶大な人気を誇っていた、歌のお兄さん・横山だいすけ氏。
音大卒・劇団四季出身の素晴らしい歌唱力と表現力がありながら、変顔が得意。
さわやかで笑顔がステキなお兄さん。
永遠に見ていたかったのですが9年という歴代最長のご活躍で、その年での卒業が決まっていました。

それまで横山だいすけ氏の相方は、三谷たくみお姉さんが7年間勤められ、ゴールデンコンビとして大人気だったそうです。
残念ながら私はたくみお姉さんをリアルタイムでは存じ上げず『横山だいすけ卒業記念メモリアルDVD』で、その魅力を知ることとなりました。
アイドルのような容姿に声優のような高い声が可愛くて、こりゃあ人気のはずだわ。
しかも、だいすけ氏とのハーモニーが素晴らしい!
本当にゴールデンコンビだと思いました。
あまりにもお似合いで、熱愛疑惑があったとかなかったとか。
「オダギリジョーと麻生久美子が結婚すればいいのに」と、ドラマ『時効警察』のファンが思っていたのと同じ現象だと思われます。
(現在はお二人ともそれぞれにご結婚されてお子さんもいらっしゃるそうです)。

ゴールデンコンビだと、一緒に卒業するのがベストなのかもしれませんが、そこは個人の問題もあり同じタイミングで卒業を選ぶとは限りません。
たくみお姉さんの卒業後、だいすけお兄さんはあと1年、お兄さんをすることを選びました。

ありがとう、だいすけ!!
だいすけ氏の「あと1年」は、私にとって「はじめの1年」でした。
はじめての子育てをしながら、毎日、だいすけ氏の歌声を聴きました。
だいすけ氏はプロです。若いのに円熟味を増した歌のお兄さん。
すべてを包み込んでくれる存在感で「夫よりも育児に参加している」という声もよく聞きました。

そして、その1年はあつこお姉さんにとっても、歌のお姉さんとして「はじめの1年」だったのです。

応援したくなっちゃう存在・あつこお姉さん

絶大な人気を誇ったたくみお姉さんの卒業後に、歌のお姉さんに就任することは勇気がいると思います。
しかも、お兄さんは変わらず、横山だいすけ氏。
どうやったって比べられてしまうでしょう。

歌のお兄さん・お姉さんは、音大を出てすぐの人が就任されることが多いのですが、あつこお姉さんも音大を出たばかりのお嬢様という雰囲気でした。
小柄で、可愛くて、声が震えていて緊張が伝わってくる。
が、がんばれっっ!
隣のベテラン・だいすけ氏が自由に場を仕切っているので、なおさら、あつこお姉さんの緊張が際立っているようでした。

『おかあさんといっしょ』には、毎月、全国津々浦々のホールで行われる「ファミリーコンサート」というものがあり、放送もされます。(略して「おかいつのファミコン」)。
コンサートなので、デュエットでしっとり聴かせる歌もあるのですが、回を追うごとに素晴らしいコンビになっていかれました。

忘れられない最後の日

2017年3月。横山だいすけ氏、最後の出演の日は忘れられません。
その週は毎日録画してその勇姿を目に焼き付けようと必死でした。
だいすけ氏の最後は、私の「夢のような時間」の最後でもありました。
夢のような時間とは、育児休業のことです。

はじめての子育ては大変だったけど人生で一番楽しい1年間でした。
この経験がのちに退職につながってしまったのですが、会社で過ごす日々がいかに内にこもったものであるかを思い知らされたと同時に、外の世界の豊かさ、面白さに気づいてしまいました。
大きな発見は、世の中には自分の仕事に誇りを持っている人、優しい人がたくさんいるということ。

会社で働いてきて「年を取ること=意地悪になること」だと思っていました。
けれども、育休中に「優しいままで年を重ねている人」にたくさん出会うことができました。
これはかなりの衝撃でした。。

毎日、だいすけ氏の笑顔と言葉と歌とともに過ごした、夢のような1年が終わってしまう。
ありがとう、だいすけ。
最後の出演回はそりゃあもう号泣。
見終わってから、ママ友グループLINEですよ。号泣するスタンプが溢れかえりました。
だいすけもほぼ泣いてたね!泣かないように頑張ってたね!うんうん、あつこお姉さんも涙こらえてたね!

事実上、3月のファミリーコンサートが、歌のお兄さんとしての最後の歌唱だったそうで、前出のDVDに収められています。
最後の歌は『ぼよよん行進曲』。
ぼよよ~んと高く飛び上がってみよう!という歌で、中西圭三(!)作曲。
ぼよよ~んとジャンプしながら歌える心肺機能がすごい!
安室奈美恵ちゃんの『CAN YOU CELEBRATE?』を生で聴くという夢は叶えられませんでしたが、横山だいすけ氏の『ぼよよん行進曲』はいつかきっと、生で聴きたいと思います。

歌を届けるということ

この4月から『おかあさんといっしょ』の夕方の放送時間が変更され、18時から放送されるそうです。
現在は、16時20分から。
変更の理由は「保育園に通う子どもが増え、16時20分では見られないから」。

まあ、たしかに?
でも18時からは『おじゃる丸』『忍たま乱太郎』『天才てれびくん』という時間割が出来上がっている。
18時から『おかあさんといっしょ』をやっていたら、うちの1歳児もリアルタイムで見られるけどあまりピンとこない。
18時台はいわば”大人の時間”。
23時からジャニーズJr.の番組を放送されるような違和感があります。

ネット上でも賛否両論。
タイトルが『おかあさんといっしょ』だからか、専業主婦VS働く母親の論争になりがちです。
「働いているから嬉しい」VS「見たければ録画すればいいじゃん」。
たしかに、16時20分の放送は専業主婦ありきの放送時間だと言わざるを得ません。
しかし、単純に考えれば親が働いていようといまいと、どんな子どもでも18時には家にいますよね。
たくさんの子どもたちに歌を届けたいから18時の放送にするというだけなのでは?と私は思いました。

『おかあさんといっしょ』というのは、本物の歌手が、本物の歌を聴かせてくれる番組なのです。
私は、はいだしょうこさんの言葉で気づきました。

はいだしょうこさんは、宝塚歌劇出身で歌のお姉さんをつとめられ、その後、テレビタレントとしても活躍されていますが歌手としてたくさんのコンサートもされています。
以前に『情熱大陸』で拝見したのですが、コンサートでは親子向けにいろんな歌を歌ってらっしゃいます。
「ヒット曲を出すばかりが歌手ではない。良い歌を届けるのが歌手。自分の歌かどうかは関係ない。私は歌手です」とお話されていたのがとても印象的でした。
この気概が『おかあさんといっしょ』なんだと思いました。
歌のお兄さん・お姉さんは、プロの歌手。
子どもにわかりやすいように歌を届けてくれる歌手なんです。

余談ですが

『おかあさんといっしょ』の中に出てくる歌『パジャマでおじゃま』と『はみがきじょうずかな』って覚えていますか?
今、『パジャマでおじゃま』は”リトグリ”ことLittle Glee Monsterが、『はみがきじょうずかな』は、なんとPerfumeが歌ってるんです!!
しかも、東京事変のベーシスト・亀田誠二氏がアレンジをしていて、めっちゃオシャレな曲に。笑

Eテレの子ども番組の歌って本当に豪華なんです。
作曲者にさりげなく有名人が表示されるので見逃せません。
つんく♂や、北川悠仁(ゆず)、水野良樹(いきものがかり)。そして・・・星野源!!

いやあ、星野源はすごいです。
『みいつけた!』という番組の「グローイングアップップ」なんて最高です。
作詞・宮藤官九郎、作曲・星野源。
私は、この「グローイングアップップ」を聴くたびに泣けます。
さりげなく泣かせにくるメロディー。
星野源さんは映画やドラマの主演をやって、歌いながらしゃべりながら書きながら、子育て支援まで!幅広いご活躍です。

いつもありがとう

走り回る子どもを追いかけているうちに、季節は移り変わってゆきます。
一年、また一年と時が経ち、春は容赦なくやって来る。
私はEテレの子ども番組を作っている人を知りません。
けれど、「見ている人を楽しませたい。喜ばせたい」という気持ちは伝わっています。
内容も、歌も、放送時間も。
いろんな人が、もっと喜ばせたい、もっと伝えたいと考えている姿が目に浮かびます。
子どもも大人も喜んでくれるものを。
本物を聴かせたい、見せたい、力になりたい。
その気持ちが、子育てに空しさを感じる一瞬の隙を埋めてくれるような気がします。

おかあさんといっしょに走ってくれるのが、歌のお兄さんとお姉さん。
いつもありがとう!

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